「大卒や中途採用で募集が来ない…高卒採用を視野に入れたいが初めてなので不安がある」
「高卒採用には細かなルールがあると聞いたが、どのような点に注意すべきだろう?」
採用活動にお悩みの企業の方は、大卒や中途採用に固執することで、採用の幅が狭まっている可能性も考えられます。
高卒採用や外国人採用など、人材確保のために打てる手はたくさんあります。
しかし、高卒採用は未就労の未成年を対象とした採用活動であり、注意点が多いのが大卒や中途採用との違いです。
この記事では、高卒採用における8つの注意点と採用成功のコツをまとめています。
最後まで読めば、高卒採用におけるルールを把握できるだけでなく、初回応募から生徒に選ばれる適切な選考活動ができるでしょう。
1.高卒採用における8つの注意点
高卒採用において、中小企業が注意すべき点は以下の8つです。
- 学校斡旋であってもハローワークを経由する必要がある
- 生徒へ直接接触してはいけない
- 一人一社制のルールがある
- 指定校求人時の3倍ルールがある
- 書類のみの選考は許可されていない
- 求人票の記載事項の抜け漏れに注意する
- 質問時は未成年に対する配慮が求められる
- スケジュールが厳密に決まっている
(1)学校斡旋であってもハローワークを経由する必要がある
高校生はまだ就労経験がなく、適切な就職先の選択ができるように保護される立場です。
そのため、高卒採用の85%は教員が就職活動をサポートできる「学校斡旋」でおこなわれます。
ここで誤解してはいけないのが、学校斡旋とは学校に直接アプローチする方法ではないということです。
企業はハローワークに求人票を提出し、確認印を受けたうえで学校へ求人票を郵送または持参する必要があります。
(2)生徒へ直接接触してはいけない
高卒採用では、企業から生徒への直接の接触や連絡は禁じられています。
高校生はまだ未成年で判断力がついていないため、職業選択において誤った選択をするリスクがあるためです。
また、高校生が企業からの連絡を気にして学業に支障が出るリスクを軽減するためにも、企業は生徒へ連絡ができません。
なお、接触には書類の提出やレポート作成、研修などが含まれます。
高校の卒業式前には直接の接触をしてはいけないことをしっかり覚えておきましょう。
(3)一人一社制のルールがある
高校生が就職活動において初回で応募できるのは1社と定められており、もしも初回の応募で内定が出た場合は他の企業へ応募できません。
さらに内定獲得後の辞退も原則認められないため、高校生は「絶対にここで働きたい」と思える企業を選んで応募します。
つまり、求人票で高校生へ魅力をアピールできないと、応募数がかなり少なくなるということです。高校生から初回応募先へ選ばれるために、自社の魅力や働きやすさをわかりやすくアピールする必要があります。
なお、一人一社制のルールは都道府県別に9月までは1社、それ以降は複数応募ができるなど細かい内容が異なるため、お住まいの地域のルールを確認しておきましょう。
(4)指定校求人時の3倍ルールがある
高卒採用において指定校求人をする場合は、募集人数に対して3倍の数までを高校で指定できるというルールがあります。
このルールは明示されているわけではなく、慣習的におこなわれているものであるため、万が一3倍を超えて指定校を設定しても罰則があるわけではありません。
また、地域によっては3倍ルールは特に設けられていない場合もあります。
しかし、3倍を超えて指定校を設定していると学校へ悪印象を与える可能性があるため、守るのに越したことはないでしょう。
(5)書類のみの選考は許可されていない
高卒採用では書類選考のみでの合否決定は認められていません。
生徒に職業選択のチャンスを与え、能力や適性を総合的に判断したうえで選考がおこなわれるべきという考え方に基づくルールです。
そのため、必ず選考時は面接を実施する必要があります。
多くの企業では適性検査、一般常識テストや作文などの試験を併せて実施すると良いでしょう。
(6)求人票の記載事項の抜け漏れに注意する
企業は高卒採用の準備段階で求人票を用意し、ハローワークへ提出する必要があります。
求人票を作成する際は抜け漏れがないかはもちろん、高校生に対して伝わりやすい内容かどうかチェックしましょう。
未就労の高校生に対して専門用語が多い求人票を作成しても、意味が伝わらず応募数に影響する可能性があります。
また、求人票の内容が正確に読み取られないと労働条件への認識に齟齬が生じ、早期離職につながるリスクもあります。
(7)質問時は未成年に対する配慮が求められる
高卒採用の面接時の違反質問に注意しましょう。
高卒採用において「本人に責任のない事項」「本来自由であるべき事項」に関する質問は禁じられており、万が一抵触する質問を行った場合はハローワークへ通報されかねません。
具体的に、以下のような質問をすると違反質問に該当する可能性があります。
違反質問 | 該当する質問例 |
---|---|
本籍 | 「本籍はどこですか?」 「生まれてからずっと現住所に住んでいるの?」 |
出身地 | 「どこで生まれたの?」 「お父さんとお母さんの出身地はどこ?」 |
家族について | 「お父さんの会社は?役職はあるの?」 「お父(母)さんがいないみたいだけど、誰が学費を払ったの?」 |
住宅の状況 | 「家は一軒家なの?持ち家なの?」 「田んぼや畑などは持っているの?」 「家の周辺は、どんな環境なの?」 |
これらの質問は本人に責任がない事項であり、万が一家族構成や家庭環境が原因で選考に落ちることがあってはならないという考え方が元となっています。
本来自由であるべき事項とは、宗教や信念に関するもので、違反質問の例は以下のようなものです。
違反質問 | 該当する質問例 |
---|---|
宗教 | 「おうちの宗教は何?」 「神様を信じる方ですか?」 |
政治上の信念 | 「あなたのご家族は、何党を支持してるの?」 「今の総理大臣についてどう思いますか?」 「愛読書はなんですか?」 「読んでいる新聞は?」 |
人生観 | 「あなたは人生をどんなふうにしていきたいのですか?」 「将来どんな人になりたいですか?」 「尊敬している人は誰ですか?」 |
社会運動 | 「あなたは何か社会活動をしていますか?」 「デモに参加している家族はいますか?」 |
また、本来自由であるべき宗教や政治的な信念、人生観についての質問の違反質問です。
注意したいのが「愛読書はなんですか?」という質問も、回答次第では宗教や政治に関する質問に触れる可能性がある点です。
基本的に高卒採用における面接では「高校で頑張ったことは?」「長所と短所を教えてください」「志望動機を教えてください」など、個人に関することのみを質問するようにしましょう。
(8)スケジュールが厳密に決まっている
高卒採用はスケジュールが厳密に決まっており、しかもそのスケジュールはかなりタイトです。
たとえば、2024年の高卒採用スケジュールでは6月1日からハローワークによる求人申込書の受付が開始され、7月1日から9月5日までの間に学校訪問や郵送にて求人票を送付する必要がありました。
選考期間は9月16日から開始され、卒業式までに面接を経て選考を終了させなければなりません。
過密なスケジュールに対応できるよう、早めに高卒採用の準備を進めておきましょう。
2.ルールに則り高卒採用を成功させる5つのポイント
高卒採用には細かなルールがあり、中小企業は規則を厳守しつつ優秀な人材を採用しなければなりません。
ルールに則って高卒採用を成功させるポイントを5つまとめました。
- 高校の教員と高校生を意識して求人票や資料を作成する
- 学校訪問で自社の魅力を直接アピールする
- 入社後のイメージを持てるイベントや資料を提供する
- 高卒採用者の教育プランを策定する
- WebサイトやSNSを活用する
(1)高校の教員と高校生を意識して求人票や資料を作成する
高卒採用のほとんどが学校斡旋で行われる以上、求人票や資料は生徒だけでなく、高校の教員も意識して作らなければなりません。
求人票や資料を見て生徒に紹介するのは、教員だからです。
そのため、教員から見て自社がどう見えるか、教え子に推薦するに値するかの目線を持って内容を精査する必要があります。
(2)学校訪問で自社の魅力を直接アピールする
高卒採用では7月1日から求人票の公開が開始され、それと同時に学校訪問が可能となります。
学校訪問で教員に自社が欲しい人材のイメージを伝えたり、魅力を伝えることで、より具体的に求人票の内容を伝えられます。
もしも学校訪問時点で教員が「この生徒がおすすめだ」とイメージする人材がいれば、かなりの確率で職場見学につながるでしょう。
(3)入社後のイメージを持てるイベントや資料を提供する
高校生は就労経験がない人が多いため、入社後の自分をいかにイメージさせるかも大事です。
入社前に抱いたイメージと入社後にギャップがあると、早期離職に繋がりかねません。
求人票だけでは入社後のイメージを持たせられないので、職業体験イベントを開催する、アニメーション動画で高卒で入社した新人の1日の動画を制作するなど、より働いている自分をイメージできる材料を提供しましょう。
(4)高卒採用者のキャリア教育プランを策定する
高卒採用者は入社後に、自分がどのように成長していけるかにも興味を持っています。
高卒向けのキャリア教育プログラムや資格取得補助制度などがあれば、積極的にアピールしましょう。
また、入社後にどのようなキャリアパスが歩めるかを図表にし、ビジュアルでわかりやすく入社後のイメージを伝えるのも大切です。
(5)WebサイトやSNSを活用する
若年層はスマートフォンを使って情報を得る機会が多く、高卒採用においてもその点は変わりません。
学校でもらうパンフレットの他に、企業のホームページや求人サイト、SNSなども情報収集に活用されています。
高校生が個人で閲覧できるよう「株式会社〇〇@高卒採用アカウント」など、高卒採用向けのアカウントを開設し、情報を発信するのもよいでしょう。
さらにショート動画など高校生に馴染みのある発信方法を使えば、より自社の魅力を高校生に伝えられます。
特に10代の若者はアニメを視聴している割合が非常に高いため、アニメーションを使った採用動画も効果的です。
まとめ
高卒採用は未成年を保護するという観点から、採用側中小企業が配慮すべき注意点が多いです。
ルールに則って優秀な人材を確保するには、求人票などの資料だけでなく学校訪問や職場見学などのイベント開催、またSNSを通じたアニメーション動画でのPRも欠かせません。
就労経験がない高校生に伝わりやすく、自社の魅力をアピールするためには、アニメーションを使った会社説明動画がおすすめです。
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