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SNS採用連載 #3|ネタ切れしない投稿テーマと「続けられる型」の作り方


「採用SNSを始めたけれど、何を投稿すればいいかわからない」
「会社紹介、社員紹介、福利厚生……一通り投稿したらネタがなくなってしまった」

採用SNSを運用していると、ぶつかりやすいのが「投稿のネタ切れ」です。

第1回ではSNS採用の基本、第2回ではSNSを選ぶ前に「誰に・何を伝えるのか」を決めることについてお伝えしました。

では、使うSNSが決まったら、そこで何を発信すればよいのでしょうか。

大切なのは、毎回ゼロから「面白い企画」を考え続けることではありません。

求職者が知りたい情報を会社の中から見つけ、それを繰り返し発信できる「型」にすること。

これが、採用SNSのネタ切れを防ぎ、無理なく運用を続けるための基本です。

本記事は、全5回でお届けする「SNS採用」連載の第3回です。

今回は、求職者がSNSで知りたい情報を最新の関連調査から確認しながら、投稿ネタの探し方、自社に合った投稿フォーマットのつくり方、そして将来的に社内でもSNSを続けられる状態をつくるための考え方をご紹介します。

1.採用SNSは「面白い投稿」を目指さなくていい

SNSというと、

「面白い企画を考えないと見てもらえない」
「TikTokなら流行に乗った方がいい」
「バズる投稿をつくらないと意味がない」

と思ってしまうことがあります。

しかし、採用目的なら、必ずしも「面白さ」を最優先にする必要はありません。

株式会社マイナビが2025年1月20日に公開した「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)」では、2026年3月卒業見込みの大学3年生・大学院1年生を対象に、企業のSNSで発信してほしい情報を自由回答で聞いています。

回答では、「1日のスケジュールや社員の方々の雰囲気」「イベントの告知」「福利厚生についての詳しい説明」などが挙げられました。

出典:株式会社マイナビ「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)」

同じ調査では、企業のSNSを見てマイナスなイメージを持つ投稿についても自由回答を聞いています。

そこでは、「TikTokでのダンスなど」「いいところばかり伝え、デメリットを伝えないところ」「本業からかけ離れすぎている企画」などの意見が挙げられています。

もちろん、これは自由回答調査であり、「ダンス動画は採用に効果がない」と一般化できるデータではありません。

ただ、少なくともこの調査からは、SNSらしい企画そのものより、会社や仕事について理解するための情報を求める学生がいることが確認できます。

採用SNSで必要なのは、無理にSNSらしい企業になることではありません。

自社の仕事を、求職者にわかる形で見せることです。

2. 投稿ネタは「求職者が知りたいこと」から探す

「何を投稿しよう?」

と考えるとき、会社側が発信したいことだけを考えていると、ネタは限られてしまいます。

そこで視点を変えてみます。

求職者は、入社する前に何がわからなくて困るだろう?という考え方です。

マイナビキャリアリサーチLabが2025年9月26日に公開したコラムでは、「マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査7月<就職活動・進路決定>」のデータをもとに、学生の情報収集について紹介しています。

その調査では、企業ホームページやナビサイトなどの公式情報以外に、口コミサイトやSNS投稿などの非公式情報・匿名情報をチェックしたことがある学生は70.6%でした。

また、「公式情報よりも口コミやSNS投稿などの方が、よりリアルな情報が得られると思うもの」として、

「社員の本音や不満点」50.6%
「実際の残業時間や労働時間」42.7%
「給与や待遇面などの実態」39.8%
「職場の人間関係や雰囲気」37.3%

などが挙げられています。

出典:マイナビキャリアリサーチLab「公式情報だけでは足りない?学生が非公式情報に求める“リアル”とは~2026年卒新卒採用の振り返り~」(2025年9月26日公開)

ここから「企業もネガティブ情報を積極的に投稿するべき」と結論づけることはできません。

一方で、求職者が求人情報だけでは見えにくい実際の働き方や職場の様子にも関心を持っていることは、投稿テーマを考えるうえで参考になります。

「アットホームな会社です」と言うなら、実際の社員を見せる。
「未経験でも安心です」と言うなら、仕事を覚える流れを見せる。
「資格取得を支援しています」と言うなら、どんな資格を取得した社員がいるのかを紹介する。

抽象的な魅力を、具体的な情報に変えていきます。

3. ネタは社外ではなく「会社の中」にある

投稿ネタがなくなると、

「SNSで何が流行っているか調べよう」
「他社は何を投稿している?」

と社外へ目を向けがちです。

もちろん、他社の事例を参考にすること自体は問題ありません。

ただし、採用SNSで長く使えるネタを探すなら、まず見るべきなのは自社の中です。

たとえば、採用担当者が面接でよく聞かれる質問。
新人が入社したときに最初につまずきやすいこと。
社員が普段使っている道具。
社内では当たり前になっている制度。
仕事の工程。
入社理由。
資格を取った社員。
最近入った設備。
社員同士でよく話していること。

こうした日常の中に、投稿の材料があります。

これは調査で効果が証明されている投稿リストではなく、採用SNSを運用するときのネタ探しの方法としての提案です。

ポイントは、「SNS用のネタをつくる」のではなく、「会社の中にある情報をSNS用に変える」ことです。

4. 採用SNSの投稿テーマは4つに分ける

会社の中を探すと情報はいろいろ出てきます。

ただ、それを思いついた順に投稿していると、アカウント全体として何を伝えたいのかわかりにくくなります。

そこで、採用SNSの投稿を大きく4つに整理してみます。

「会社を知る」
「仕事を知る」
「人・働き方を知る」
「応募前の不安を減らす」

という4つです。

「会社を知る」なら、事業内容、会社の歴史、職場紹介。
「仕事を知る」なら、一日の流れ、仕事内容、道具や設備、仕事のビフォーアフター。
「人・働き方を知る」なら、社員紹介、入社理由、研修、福利厚生。
「応募前の不安を減らす」なら、よくある質問、未経験者の教育、選考の流れなどが考えられます。

これは公的なSNS分類ではなく、採用情報を整理しやすくするための本記事上の分類です。

毎回「今日は何を投稿しよう」と考えるより、

「今月は仕事の投稿が少ない」
「次は応募前の不安を減らす投稿にしよう」

と考えられる方が、投稿内容を管理しやすくなります。

5. 一つのネタを、一度で使い切らない

ネタ切れを防ぐためには、もう一つ考え方があります。

一つの情報を、一投稿で終わらせないことです。

たとえば「新入社員のAさん」を紹介するとします。

一度の社員紹介だけで終わらせず、

入社した理由。
現在担当している仕事。
入社して最初に覚えたこと。
先輩との関係。
取得した資格。
一日の流れ。
仕事で嬉しかったこと。

と、切り口を変えることができます。

同じ「資格取得支援」という制度でも、

制度そのものの紹介。
実際に取得した社員。
勉強方法。
取得後にできるようになった仕事。

というように内容を広げられます。

製造工程なら、全体を一度に紹介するだけでなく、工程ごとに分ける方法もあります。

大切なのは、投稿数を増やすために内容を薄く分割することではありません。

一つのテーマを、求職者の異なる疑問から見直すこと。

それによって、会社の中にある限られた情報からも、複数のコンテンツをつくりやすくなります。

6. 動画だからこそ伝えやすい仕事もある

採用SNSでは、文章や写真だけでなく動画も選択肢になります。

特に、

「仕事内容を文章で説明すると長くなる」
「仕事の動きが写真だけではわかりにくい」

という企業では、動画にすることで伝えやすくなる場合があります。

たとえば、
製造業なら、機械が動き製品ができる様子。
建設業なら、作業が進み現場が変化していく様子。
運送業なら、ドライバーの一日の流れ。
介護業なら、施設や業務の様子。

こうした例は、特定の業種で動画の採用効果が実証されているという意味ではなく、動きを含む仕事内容を表現する方法の例です。

また、採用動画だからといって、社員が必ずカメラの前で話す必要もありません。

現場映像に字幕を加える。
写真を組み合わせる。
図解を使う。
アニメーションで仕事の流れを説明する。

会社や社員の状況に合わせて、伝え方を選ぶことができます。

重要なのは、

「動画をつくること」ではなく、「何を理解してもらうための動画なのか」を決めること。

SNS選びと同じく、手段から考えないことがポイントです。

7.ネタ切れを防ぐなら「自社の投稿フォーマット」をつくる

投稿ネタが見つかっても、毎回デザインや構成までゼロから考えていては運用の負担が大きくなります。

そこで重要になるのが、投稿フォーマットをつくることです。

たとえば、

「社員紹介なら、この質問を聞く」
「仕事紹介なら、この順番で説明する」
「よくある質問なら、このデザインを使う」

というように、ある程度の型を決めておきます。

ただし、他社で使われているフォーマットをそのまま使えばよいわけではありません。

会社によって、

伝えたい魅力。
採用したい人。
写真を撮れる環境。
社員が出演できるかどうか。
投稿をつくれる担当者。

は違います。

だからこそ、その会社に合ったフォーマットをつくることが重要です。

たとえば、
社員の顔出しが難しい会社なら、仕事道具や現場を中心にする。
専門的な仕事なら、専門用語をそのまま出さず、「高校生でもわかる仕事紹介」という型にする。
社員数が多ければ、部署ごとの社員紹介をシリーズ化する。

こうしたフォーマットは、特定の調査で効果が保証された方法ではありません。

一方で、毎回同じ制作工程を一から設計する必要がなくなるため、運用を標準化する方法の一つとして考えられます。

8. フォーマットは将来の内製化にもつながる

投稿フォーマットをつくる目的は、見た目を統一することだけではありません。

もう一つ重要なのが、運用方法を会社に残すことです。

SNS運用を一人の担当者だけに任せていると、その担当者が忙しくなったり、異動したりしたときに更新が止まる可能性があります。

そこで、

どこから投稿ネタを探すのか。
どんなテーマを順番に発信するのか。
社員紹介では何を質問するのか。
投稿画像をどうつくるのか。
文章をどうまとめるのか。

といった方法を、フォーマットやマニュアルとして残していきます。

最初は外部の支援を受けながら投稿の型をつくり、実際に運用しながら自社に合う形を蓄積する。

その後、できる部分から社内担当者が制作・投稿を行う。

最終的には、外部に任せなければ更新できない状態ではなく、社内でも無理なく続けられる状態を目指す。

これは、SNS運用代行を利用する場合にも考えたい一つの形です。

「全部自社でやる」か、「ずっと全部外注する」か。必ずしも、その二択だけではありません。

一定期間はプロの力を借りながら、自社のフォーマット、ネタの探し方、制作方法を蓄積し、少しずつ社内へ運用を移していく方法もあります。

これは統計調査から導かれた一般的な成功法則ではなく、SNS運用を継続しやすくするための運用設計としての提案です。

そして、内製化を考えるなら、投稿のつくり方だけでは足りません。

「この写真は投稿していいのか」
「社員を掲載するときはどう確認するのか」
「取引先やお客様が写っている場合は?」

というSNSの運用ルールも、会社の中で共有する必要があります。

ここが、次回のテーマです。

まとめ

採用SNSのネタ切れを防ぐために、毎回新しい企画を考え続ける必要はありません。

まず見るべきなのは、SNSのトレンドよりも自社の中です。

社員。
仕事内容。
仕事道具。
研修。
福利厚生。
よくある質問。

日々の仕事の中には、求職者がまだ知らない情報があります。

そして、その情報を、

会社を知る
仕事を知る
人・働き方を知る
応募前の不安を減らす

という視点で整理する。

さらに、社員紹介、仕事紹介、Q&Aなど、自社に合った投稿フォーマットをつくる。

毎回ゼロから企画するのではなく、「型の中に、新しいネタを入れる」状態にすることが、継続しやすいSNS運用につながります。

そして、そのフォーマットやネタの探し方を担当者個人の経験で終わらせず、会社の中に残していく。

将来的に社内で無理なくSNSを運用するためにも、投稿づくりの段階から「誰でも続けやすい仕組み」を考えておくことが大切です。

ただし、社内の人がSNS運用に関わるようになるほど、

「何を投稿してよくて、何を投稿してはいけないのか」

という判断基準も必要になります。

次回予告|第4回「その採用SNS、本当に大丈夫?企業が炎上する前に決めておきたい6つのルール」

第4回では、採用SNSを運用する企業が知っておきたいSNS炎上と運用ルールについて取り上げます。

社員の写真や個人情報はどこまで掲載できるのか。
取引先や社内情報が投稿に写り込んだらどうするのか。
投稿前に誰が確認すればよいのか。

2026年に公開された企業のSNS炎上に関する最新調査も確認しながら、「炎上が怖いからSNSをやらない」ではなく、企業としてリスクをどう管理するかを考えていきます。

また、実際のSNS運用の中で起きた具体的な事例も交え、ルールやマニュアルをどのように社内へ共有すればよいのかを整理します。


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